欧州最大の赤字はこれで埋まる?
15日、スペインのサルガド財務相が富裕税を復活させることを発表した。
スペインは欧州最大と言われる財政赤字に苦しんでいる。国民の不満を抑制しながらこれを埋める措置が検討されてきた。
年収7500万円以上が対象
今回の増税対象となるのは、年収70万ユーロ(約7500万円)以上の層だ。スペイン国内に16万人いるとされ、この措置による税収は10億8000万ユーロ(1160億円)程度。
経済危機に悩まされるスペインでは、失業率も21%にのぼっている。低所得者層への配慮から、今回の富裕税導入となった。
同様の富裕税はすでにフランスで発表されている。
富裕層にも受け入れの用意が
8月には大富豪として有名な投資家、ウォーレン・バフェット氏が、ニューヨーク・タイムズ詩に寄せた論説で、富裕層にもっと課税すべし、と述べた。
2010年にバフェット氏が支払った税金は、課税所得の17.4%にすぎず、同じ職場で働く20人の中で、最も低かったという。
バフェット氏は、富裕層の税率が高かった時代の方が、より活発に雇用が創設されていた、と主張。「これ以上甘やかされたくない」とした。オバマ大統領も富裕層への課税強化を主張している。
日本ではほとんど聞かれない議論である。たまに語られる場合には、富裕層への課税は、人材の海外流出を招く、というのがマスコミの主たる論調となっている。
◆CNN
http://www.cnn.co.jp/business/30003702.html◆ウォールストリートジャーナル
http://jp.wsj.com/World/Europe/node_307279