減税案の先行きは不明
名古屋市の河村市長は市民税の恒久的な減税をマニフェストに掲げていることで有名だ。2012年度から市民税を10%減税するため、市議会で議論が続いているが、多くの党派から財源を巡って疑問の声が上がっている。
市の財政当局は「財政見通しを提示することは困難」としていることから、共産党などは福祉カットにつながる、として警戒感を強めている。
魅力ある都市を作るチャンス
名古屋市も決して財政は豊かではなく、財政難の状況にある。そんな中での市民税減税には、徹底的な無駄の排除が欠かせない。
実際、減税を前提とした経費削減努力により見つかった「無駄」は少なくないという。
名古屋市の近隣には、「ドラゴン・ボール」で有名な漫画家・キャラクターデザイナーの鳥山明氏やイチロー選手などの家もある。
河村市長は「減税は都市の魅力をつくる空前のチャンス」と語る。市民税減税によって、こういった高額納税者が流入すれば、大成功と言えるだろう。
全国的にも注目されるなりゆき
市長就任以来、この市民税減税マニフェストで注目されてきた河村市長だが、全国的にもそのなりゆきは注目度が高い。
同様の減税に取り組む自治体は少なくない。東京都杉並区は2010年度から一般会計のほぼ1割を基金として貯蓄。これを運用した利益を財源に、2020年度から区民税を一律10%程度減税する計画を立てている。
◆名古屋市
http://www.city.nagoya.jp/◆河村たかし
http://takashi-kawamura.com/◆東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2009121002000082.html