かつて一世を風靡した食材、「寒天」。その響きに懐かしさを感じる人もいるのではないだろうか。ダイエット効果や食物繊維が注目され、一時期は大ブームになった寒天。当時の売れ行きは凄まじく、入荷するや否やすぐに売れてしまうのでスーパーではほとんど姿を見かけないこともあったほどである。
当時、寒天は多くのテレビ番組でも取り上げられた。テレビ朝日系の「いきなり!黄金伝説」では、お笑いトリオ・森三中が寒天レシピだけで10日間生活にチャレンジするという企画も放送された。
とうの昔にブームは去ったが、ブームに関係なく寒天が持つ普遍的な力には驚嘆せざるを得ない。カロリーゼロ、豊富な食物繊維、糖分の吸収を抑える効果など、ダイエットにとても向いている食材なのである。
ついつい果実や生クリームを添えたくなる…
しかしながら、寒天の最大の長所であり短所でもあるのは「無味無臭」であることだ。味もにおいもないため、どんな食材にも入れることができ、使い勝手がいい。しかしそれゆえに味気なく感じて味をつけたり砂糖を入れたりしてしまい、逆にカロリーオーバーということにもなりかねない。
実際に森三中の3人は、10日間も寒天レシピのみで過ごしたにもかかわらず、食べる以外には特に動かなかったからか体重はあまり変わらなかった。実際に番組の趣旨としても、寒天ダイエットというより、砂糖やその他の食材を使い美味しく食べられる寒天を使ったアイデア料理の紹介がメインだった。
しかし、森三中の3人のコレストロールや中性脂肪、赤血球の状態などは大幅に改善されたという結果が出た。楽しく美味しく健康的になれるという、まさに理想的な食材なのである。
現代人は、食物繊維が不足している。その点でも寒天は便利な食材である。だからといって寒天を過剰に摂取すると、水分を必要以上にゲル化してしまい逆に便秘になってしまう。ほどほどに、上手に寒天と付き合っていくことで、健康な身体を手に入れることができる。
今一度、寒天を見直してみてはいかがだろうか。