「犯す前に……」で更迭
29日、沖縄防衛局の田中聡局長が更迭された。米軍普天間飛行場移設に関する環境アセスメント報告書について、「犯す前にこれから犯しますよと言うか」と、女性への暴行にたとえる発言をしたためだ。
オフレコを報じた琉球新報
同発言は28日夜、記者団と非公式に懇談した際に発せられた。大手新聞社の記者なども同席していたが、当初記事にしたのは琉球新報のみだった。
読売新聞は記事の中で、同紙の記者が同席していたことを認め、「報道を前提としない非公式の発言だった」と報じた。
非公式の懇親会で語られた内容ゆえに報道しなかった、というのは一つの選択だろう。だが、沖縄の思いを無視し続けてきた政府と同じ姿勢がそこには読み取れる。
沖縄からの米軍基地移転が真剣に議論されるようになったきっかけは、1995年に発生した米兵による女子小学生への暴行事件だった。
基地問題を主管する立場にある人間の意識が現れる発言について、琉球新報が報じたのは妥当だろう。
いまだ犠牲にされ続ける沖縄
沖縄は太平洋戦争で唯一本土決戦が行われた地である。激戦の中、沖縄県民は献身的に日本軍の戦闘を支えた。
その様を当時、沖縄小禄地区(現在の那覇空港周辺)を守備していた海軍根拠地隊司令官、太田実少将は絶賛。大本営に対して「沖縄県民斯ク戦ヘリ 県民ニ対シ後世特別ノ御高配賜ラレンコトヲ」と打電した。
戦後60年以上がすぎたが、現在も沖縄に「特別ノ御高配」はない。それどころか、国家によるレイプ、マスコミによる無視が続いていることを示したのが、今回の「発言」であり「報道」だったと言える。
◆毎日.jp
http://mainichi.jp/area/okinawa/news/20111130rky00m040006000c.html◆普天間基地 wiki
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%99%AE%E5%A4%A9%E9%96%93%E9%A3%9B%E8%A1%8C%E5%A0%B4