3大栄養素以外も野生動物から摂取
世界にはいまだ野生の動物を食糧とする地域がある。そういった地域では、動物から得られる栄養素が子どもたちの健康を守っていることが米カリフォルニア大学とハーバード大学の研究でわかった。
野生動物を食べないと貧血に
調査はマダガスカル北東部の農村で12歳以下の子どもたち77人を対象に行われた。
野生動物を食べないよう生活様式を変えた子どもでは、貧血の発症が29%増加したという。
子どもたちは日常的にフルーツコウモリなどを食べていた。研究者らは鉄、亜鉛、オメガ-3系脂肪酸、ビタミンB12 などの微量栄養素をこういった野生動物から摂取しているのではないか、と分析している。
食肉供給不足を隠す恐れも
東アフリカのタンザニアでは2008年、難民キャンプでチンパンジーなどが食糧にされている、と報告された。
報告書を執筆したGeorge Jambiya氏によると、難民向け食糧の大半が、野菜・穀物類であるためだという。
野生動物を食べてタンパク質の不足を補う行為により、難民が必要とする食肉量を国際社会が提供できていない事実を隠すことになっている、と同氏は語っており、問題の複雑さがうかがえる。
◆PNAS
http://www.pnas.org/content/early/2011/11/16/1112586108.abstract