初めて発表された年金改革案
民主党厚生労働部門会議の年金作業チームは22日、年金改革の中間報告をまとめた。
マニフェストの重要項目だった「社会保障・税一体改革」について、民主党の意見が公になるのは初めて。物議を醸していた「年金支給年齢の引き上げ」は見送られた。
選挙にらみか? 財源不明の改革案
改革案の焦点として議論されてきたのが、厚生年金の支給開始年齢引き上げ。財政的に厳しい状況の中、68歳~70歳に段階的に引き上げる案が検討された。
年金作業チームは支給年齢引き上げの見送りを報告。党の「社会保障と税の一体改革調査会」もこれを採択した。
同作業チームでは、公的年金について、過去に見送られた物価スライド分の減額適用も検討されたが、賛否が分かれたため、報告書では両論が併記された。
公的年金は、物価の上下に沿ってスライドするものとされているが、過去に物価の下落分減額されなかったため、現在の支給額は理論値より2.5%高くなっている。
これを減額すべし、という議論がなされたが、結論は得られなかった。
年金制度の破綻が懸念される中、これを回避する改革をマニフェストに掲げた民主党だが、国民の反発が予想される支給額の引き上げや減額には踏み切れない模様だ。
◆日本経済新聞
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819481E0E0E2E1E78DE0E0E3E3E0E2E3E38297EAE2E2E2