超音波センサーで障害物を感知
秋田精工株式会社と秋田県立大学は、共同で開発を進めていた視覚障害者用「スマート電子白杖」(商標登録出願中)の製品化に成功し、受注を開始した。
「スマート電子白杖」は、視覚障害者が使用している本来の白杖機能に加えて、杖の上部に取り付けられた超音波センサーで正面と頭部前方の障害物を感知し、グリップとリストバンドの振動により障害物の情報を使用者に伝えるもの。
量産化により低コストを実現
すでに類似の電子白杖は発売されているものの、10万~25万円程度と高価(外国製品)であるため、普及が進んでいなかった。今回開発した白杖は、金型を用いて量産化に成功したため、価格を約3万円程度に抑えられた。
さらに、今回製品化したスマート電子白杖は、従来品と比べ軽くなり、一般の白杖とほぼ同程度の重さという。
実用性や強度も兼ね備える
「スマート電子白杖」の障害物の検出可能距離は1~3m、検知可能な最小物体は直径約5mm、指向特性は約40度である。これらの特性は、実用化に要求された基準を満たす。
また、秋田精工株式会社が杖の強度を検討したところ、250万回以上叩いても使用できることを確認した。
なお、この研究開発は、科学技術振興機構(JST) 研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラムの一環で行われている。
JSTのニュースリリース