避難所に仮設図書館を~「みんなのとしょかん」プロジェクト始動~
東日本大震災で被害を受けた東北地方の沿岸部の避難所に仮設図書館を作ろうと「『みんなのとしょかん』プロジェクト」が開始している。
同プロジェクトは4月22日に活動を開始。5月末には一般社団法人「みんなのとしょかん」(栃木県足利市)を設立するに至った。理事長にはプロジェクト発足に奔走した川端氏が就任している。
図書館まるごと支援・・・多くの賛同者が集まる
立ち上げ人の川端氏は3月の大震災発生直後、自社トラックで水や食料を運ぶため、知人が支援活動をしていた宮城県石巻市の避難所を訪れた。そこで被災者から、気分転換できるように本が欲しいとの声を聞いた。
そこで自費で約200冊の本を買い、市内の避難所にいる被災者に届けた。4月上旬にはツイッター上で被災者へ本を送りたいとの書き込みをしたところ、この呼びかけに賛同する人々が集まり始めた。
反響は次第に大きくなり、もっと多くの人に読んでもらおうと仮設図書館の開設を決意。引き続きツイッターで支援者や本の寄付を募り、活動を知った団体や企業などが協力。およそ3万冊の本を集めた。
地域コミュニティづくりにも一役
仮設図書館は、避難場所の一部を借りて本を提供するだけではなく、被災者を司書係として雇用したり、地元の中学生にボランティアで協力をしてもらうなどして運営されている。川端氏は地域の新しいコミュニティーづくりにも活用してほしいと願っている。
これまでに宮城県石巻市の2か所に開設完了。今後は岩手県や福島県などでの開設を予定している。
「みんなのとしょかん」プロジェクト