中国の威圧的行動に対し、在日米軍と日米安保の重要性を説く
ロバート・ゲーツ米国防長官は、来日中の14日に慶応義塾大学で行った講演で、北朝鮮の核開発や、領土問題で近隣諸国へ威圧的な態度をとる中国を指して、抑止力としての在日米軍や、日米安全保障条約の重要性を改めて強調した。
講演の中で、ゲーツ長官は、尖閣諸島沖で発生した、中国漁船衝突事件を例にあげ、中国の強引な行動が近隣諸国の不信を招いていると指摘。また、北朝鮮の核兵器や弾道ミサイル開発が、太平洋の安全を脅かすものとして、日米韓のさらなる結束を説いた。
「在日米軍がいなければ、中国はさらに強引になる」
ゲーツ長官は、北朝鮮による核開発をはじめとする、一連の挑発行動を指摘した上で、あくまでも北朝鮮が信用に足る姿勢を見せた場合は、核開発や弾道ミサイル開発を凍結する条件で、6か国協議を通した対話を再開する考えを示した。
中国に対しては、朝鮮半島情勢に重要な役割を担うとして期待する一方、不透明な軍備近代化や、近隣諸国への威圧的行動を指摘。昨年9月の中国漁船衝突事件が、日米安保の重要性を喚起したの見解を述べた。
ゲーツ長官は、在日米軍が駐留しなければ、北朝鮮の挑発的な行動がさらにエスカレートすると指摘し、中国に対しても
在日米軍が駐留しなければ、中国は近隣諸国にさらに強引に(権利を)主張するだろう
と、かなり踏み込んだ発言をした。
時事ドットコム「在日米軍、安保条約の重要性強調=中国の威圧行動など指摘-ゲーツ長官講演」
時事ドットコム「米軍、アジアにシフト=中国を強く意識-日米韓同盟の強化加速・ゲーツ長官歴訪
http://www.jiji.com/(トップページへのリンク)
アメリカ国防総省「Gates Calls for Strengthening U.S.-Japan Defense Alliance」(英語)
http://www.defense.gov/news/newsarticle.aspx?id=62450