自閉症の息子を育てた経験から現地で起業
アメリカに住む主婦、久保由美さんが現地で企業して【iPhone】などで使える自閉症向けの会話支援アプリを開発したという記事が『SankeiBiz』に先日、掲載された。
久保さんには、先天性脳機能障害とされる自閉症の長男がいるという。アプリの利用者は「韓国や中国、イタリア、北欧など21カ国に広がった」とのこと。
現地で誕生した長男の渡(わたる)さん(16)が自閉症と診断されたのは1歳のころ。話すことができず、パニックや多動の症状があるという。
コミュニケーションをとるために久保さんは「食べる」「寝る」など日常行動を描いた絵カードを言葉の代わりに活用した。ただ、言葉の理解度が増すとカードも増え、カードを入れたバインダーは5キロにもなり、持ち歩くのに不便を感じた。また、専用の会話支援機器もあったが、数十万円と高価だった。
これらの経験から久保さんは「子育て支援や自閉症関連などさまざまなNPOやボランティア活動を通じて技術者とも知り合った」といい、2008年に「シリコンバレーでソフト開発販売会社『スペクトラムビジョンズ』社を設立し、スタンフォード大の精神科医や言語聴覚士、支援学校の教師らの協力を得て昨年11月に会話支援ソフト『Voice4u(ボイス・フォー・ユー)』を開発した」とのことだ。
アプリには「あついです」「ありがとう」「おかあさん」など約160種類もの会話表現が登録されているという。ダウンロード料は3,500円。それでも従来、数万~数十万円もするコミュニケーションデバイスやソフトウェアに比べると安いとのことだ。
【minastirith 執筆】
■ iPhoneで「ありがとう」 主婦が自閉症の会話支援アプリ開発 - SankeiBiz
http://www.sankeibiz.jp/business/news/100830/bsb1008300042001-n1.htm■ Voice4u JP
http://www.voice4uaac.com/jp/