HPへアクセスするソフトで逮捕?
愛知県岡崎市立中央図書館のホームページに大量アクセスし閲覧を困難にしたとして5月に、偽計業務妨害容疑で男性が逮捕されました。これだけ聞くと、サイバーアタックか?と思いますが、通常のサイバーアタックとは少々事情が異なることが分かりました。
なぜ男性は逮捕されたのか
男性は図書館の新着図書情報を自動的に取得できるプログラムを使い、最高で10分間に約1600回、HPにアクセスしました。何をしていたかというと、単に内容をコピーして貼り付けるだけでした。asahi.comの伝えるところによれば、
図書館側へのアクセスは14日間に3万3千回で、秒間約1回。数万円で買えるコンピューターでも1日数万回や秒間10回はアクセスに耐えるとされ、むしろ少ない数だ。「常識的に考えて逮捕はおかしい」などとブログやツイッターで書き込みが相次いだ。
とのことです。この程度のアクセス数でダウンするHPを、図書館という公の機関が公開していること自体を改善すべきだったのではないでしょうか。また特に取得した情報を悪用したわけでもなく、いきなりの逮捕劇に対する驚きと不満が噴出しました。
男性のその後
男性は逮捕後、プログラムに業務妨害の意図がなかったことを説明し、20日間も勾留された後、起訴猶予となりました。図書館側のシステムの問題もあるのだから、逮捕はちょっと行き過ぎであったとの批判は当然だと思われます。また、インターネット利用者は、意図していなくてもこのような事件に巻き込まれることもあるので、特に公の期間へのアクセスの場合、注意が必要です。
asahi.com なぜ逮捕?ネット・専門家が疑問も 図書館アクセス問題
http://www.asahi.com/digital/internet/NGY201008210001.html