時代はオンライン
不在者投票のうちのひとつである「郵便投票」(投票所に行けない人が自宅などで投票用紙に記入、郵送する方法)。投票総数の中でも多くの割合を占めているが、イギリスでは、その規制の甘さから不正行為の温床となったり、申請・受理過程の不具合で投票が行えないという事態も起こっている。
オンラインバンクの利用、オンラインでの物品購入やプライベートな通信が行える今日、そろそろオンライン投票が可能になってもおかしくないと考えるのは当然の流れと言えるだろう。
4月に行われた大手通信事業会社Virgin Media Businessによる調査では、イギリスのインターネットユーザー5人に2人以上が、「オンライン投票が導入されることでより積極的に候補者を支持できるだろう」と答えており、デジタル投票システムを支持する有権者の数は前回の選挙時の19%から43%に跳ね上がっている。
オンライン投票の利点
オンライン投票の利点としては、票集計の時間短縮、最終票の集計や確認作業の効率化と利便性、有権者が各自の都合で投票できる、といったことが挙げられる。
オンライン投票の問題点
一番の問題は、その安全性である。一度だけ有効なパスワードで、ログインは一回限りなどの安全環境が確保されたページ運営が必要となる。パスワードの登録・認証過程の慎重さも問われるであろう。
さらには、サイトの不具合によってユーザーがアクセスできない、票集計ができない、という状況のないよう、システム管理が万全になされなければならない。
デジタル民主主義
現在の郵便投票でも問題とされている安全性と公正さ……現行の郵便投票以上の安全性と公正さが確保されなければ、オンライン投票がどれだけ便利であっても実現することは難しいようだ。
「デジタル民主主義」を支えるオンラインの技術と人々の倫理観。ネット選挙へ向けてやっと動き出した日本も、この先議論は避けられないだろう。
SC MAGAZINE 'Would the ability to vote online in the next election improve turnout and counting accuracy?'
http://www.scmagazineuk.com/would-the-ability-to-vote-online-in-the-next-election-improve-turnout-and-counting-accuracy/article/170504/