法科大学院
2004年から創設された日本のロースクール(法科大学院)制度は、法学部出身者は2年、それ以外の学部出身者は3年放火大学院に通い、国家試験に合格する新しい司法試験制度です。
もともと非常に合格率が数%と低かった司法試験では、合格者のほとんどが東京大学または京都大学出身者で偏っており、数も非常に少なく、弁護士が不足していました。そこで、初受験から3年間の受験生の合格率を上げ、若い世代の合格者を増やそうという試みが行われ、次にできたのが、この法科大学院制度です。
受験者数激減
当初、合格率を7割から8割とすることを掲げて、華々しく創設された司法制度でしたが、YOMIURI ONLINEの伝えるところによれば、
昨年の合格者は2043人と初めて前年割れし、合格率は約27・6%。今年も同程度の合格者数ならば、合格率は25%程度に下がる。
5年以内に3回までの受験で合格しなければならないため、受験を控える人が非常に多く、また、法科大学院への入学志願者も激減しています。
3年では無理
リーガルマインドのない人に法律を読み解くことも理解することもできません。それを3年間の法科大学院への通学だけで、身につけることは非常に難しく、そもそも無理な計画だったのではないでしょうか。実際、受験者の中には、「疑わしきは罰せず」の意味がわからなかった人もいるようです。これは刑法では基本中の基本です。
弁護士の必要数
訴訟大国アメリカでは必要な弁護士数が多いですが、個人の話合いで解決する風習が根付いている日本では訴訟自体の数が少なく、弁護士の数がそれほど大量に必要とされているとは思えません。合格率が低いといっても25%もあれば、大して難関ともいえず、これでは質の低い弁護士を世の中に輩出するだけになります。実際に、「軒先弁護士」といって、「居候弁護士」にもなれない、法律事務所の一角を借りて弁護士業務行う弁護士や、職がみつからない弁護士も出始めています。
YOMIURI ONLINE 「法科大学院曲がり角、5年目の新司法試験始まる」
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20100513-OYT8T00461.htm