海外から電子メールで投票
米国外に在住する三百万人近くの米国人と米軍関係者のうち、少なくとも33州の出身者は11月の中間選挙で、電子メールを利用したインターネット投票か、ファクス投票が許可される見込みだ。これは、連邦政府機関によって先月提出された新しい規定によるものである。
この動きは、州と連邦政府の選挙管理機関が海外在住者の投票をよりスムーズにしようという取り組みから生まれたものである。在外有権者の票は、しばしば距離の問題や郵便事情によって無効になるケースがあったからだ。
超党派の支援グループである在外投票協力財団の調査では、2008年の選挙では、こういった問題によって駐留軍関係者や在外有権者の22%が投票用紙を返送できなかった。
安全性は確保されているか?
しかし、サイバーセキュリティの専門家や、選挙管理担当者、投票の正当性を提言する人々はこのインターネット投票の計画に懸念を表明している。
彼らは、電子メールのメッセージは傍受される可能性があること、投票用のウェブサイトは不正侵入や悪意のある攻撃を受けてダウンする可能性があること、一旦ウェブを通して送られた票の安全性を証明するのが難しいことなどを指摘している。
初めての大規模なインターネット投票
前回の選挙では電子メールまたはファクスでの投票を認めていたのはほんの一部の州だけであり、それもたいていの場合は試験的に一部の郡だけを特定していたり、戦闘地域の軍関係者だけに限定されていた。
つまり、次の中間選挙ではインターネット投票は非常に大きな役割を果たす最初のケースになるのである。現時点でl、インターネットでの投票を認める施策を可決した州は33に上っている。
一方で、こういった新しい規定を導入するにあたり、公衆の意見を聞く時間が十分に取られておらず、そのことが連邦法を侵害しているのではないかとの批判もある。
既に運用している州では
ノースカロライナ州では、2006年から在外有権者は電子メールかファクスでの投票が選択できる。同州の選挙管理委員会の副委員長であるジョニー・マクリーン氏は次のように話す。
「確かにセキュリティに関する問題は存在するが、軍関係者は投票権を失う心配がなくなることを大変喜んでいる。郵送投票の締めきりに間に合わない在外軍関係者から、それでも投票をしたい旨の電話があった時、電子投票の選択肢が有ることを非常にうれしく思った。」
States Move to Allow Overseas and Military Voters to Cast Ballots by Internet
http://www.nytimes.com/2010/05/09/us/politics/09voting.html