世界的な不況
アメリカのサブプライムをはじめとして、本格的に始まった世界的不況は、日本でも猛威をふるっています。大学生の就職内定率が最悪というニュースは連日報じられていますし、失業率の話題にも事欠きません。
しかし、これは爆心地となったアメリカでも同じです。アメリカのミシガン州では、求人が前年比の40%も減ったという調査結果があるほどです。
インターンを重視する企業の増加
そんな中、アメリカでは一種の傾向が見られるようになったと、ミシガン州で大学生を対象に職業斡旋サービスを行う専門家が語ります。企業が求人を減らした代わりに、インターンを多く探すようになったというのです。
ミシガン州は特に離職率が高く、州全体をあげて問題に取り組もうと様々な活動を行っているところですので、この動きも顕著に現れているようです。
専門家が言うには、大きな企業ほど、インターンシップモデルを早々に確立し、大学を卒業したばかりの人材を雇うより、インターンシップで早期から才能のある人材を探し出し、育てることに重点を置き始めているといいます。
また、大企業だけでなく、小さな会社、そして非営利組織ですら、それに追随する形でインターンシップに力を注ぎ始めているのだそうです。
インターンシップに見られる利害の一致
インターンシップは企業と学生の両者にとって、お試し期間のような役割を兼ねています。
企業側は、給料を支払う従業員数を増やすことが困難でも、インターンシップなら低コスト、さらに最小限のリスクで実践的に優秀な人材を見出してスカウトすることができます。
学生も、数少ない就職口につながる絶好のチャンスとなりますし、直接就職に繋がらなくても、インターンの経験をもとに、より良いキャリアを築けるかもしれないという更なるチャンスを得ることができます。
双方の狙いが合致するところ、それが今日のインターンシップなのです。
日本もこの流れのあとを追うことになるのか?
日本の企業や大学も、インターンシップに注目し始めています。有名私立大学では、単位取得可能な活動のひとつとして、積極的にインターンシップを取り入れていますし、昨年の夏配信された各企業のインターンシップの告知・選考のニュースは就職活動を行う学生の注目の的でした。
今現在の日本では、インターンシップの経験があっても、就職活動に決定的に有利というほどのものにはなりません。雇用に乗り出す企業側もまだ、インターンはほんの練習程度としか感じていないからです。
しかし、今はアメリカほど顕著でなくても、近い将来、このアメリカのように就職活動の鍵がインターンシップにシフトする日が来るかもしれません。
Businesses hiring more interns in 2010