点字受験の現状
地方公務員採用試験(一般事務職)で点字による受験を認めている自治体は、障害者対象の特別枠試験を含めても56・8%であることが
毎日新聞の調査で明らかになった。
調査は保育士採用試験を担当する県庁所在市と東京都など計51の自治体を対象に実施して、すべての自治体から回答を得た。
29自治体が一般事務職試験で
点字受験を認めている。
また、別枠の障害者対象試験で門戸を解放している自治体は、新潟・神戸などの27市。
一方、17市が「一定の配慮が必要な重度視覚障害者の採用は想定していない」「業務遂行に支障がある」などとして「認めない」と回答し、「未定」と答えたのは5市だった。
厚生労働省も困惑
保育士採用試験で点字受験を認めたのは、方針変更した大阪市、山形など4市、全体で7・8%だった。
「配置や業務分担などが困難」との理由から26の自治体が不可と答えた。
障害者雇用促進法で公的機関の法定雇用率は民間企業より高い2・1%と定められている。
これについて厚生労働省と総務省は、各都道府県などに対して障害者雇用の促進を求めるているが、「国には地方自治体を指導する権限はない」と戸惑いの表情を浮かべている。