町の主催だから信じたのに
静岡県清水町に住む男性とその家族が、町に対して2465万円の賠償を求めて提訴した。同市が主催した講演会のせいで偽医師を信頼し、健康被害に遭ったため町にも責任がある、というのが訴えの内容だ。
「心療内科医」の治療で介護が必要に
被害に遭った男性は、2005年に清水町が開いた講演会に参加したことから、講演を行った女性の自称「心療内科医」を受診するようになった。
2006年から2011年までの間に計119回受診したが、その結果、常時介護を必要とするほど病状が悪化したという。
男性はもともと精神疾患を抱えていたが、同女医の治療を受けるまでは、日常生活で介助を要するほどではなかった。
藤原紀香が患者で小澤征爾と親密
問題の偽女医、室伏由美子容疑者(44)は2011年10月に医師法違反で静岡県警に逮捕され、懲役1年6か月、執行猶予4年の判決を受け、確定している。
伊豆箱根鉄道伊豆長岡駅の駅前で心療内科クリニックを開設していた室伏は、近隣の住民には「アメリカ国籍を持ち、大学は飛び級で18歳の時に卒業は国境なき医師団に参加。東大の医局で働いていたことがある」などと語っていた。
また、藤原紀香さんや竹中直人さん、小澤征爾さんなどとも親密と語るなど、虚言癖があったという。
今回問題になったのは清水町での講演だが、沼津市でも市役所主催の講座で、「自信が持てる子育て」などの講演も行っており、自治体のチェック機能の甘さがうかがえる。
◆清水町
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