おいしいと評判
伊那市にある知的障害者通所授産施設「
アンサンブル伊那」が、施設駐車場の一角で毎年秋から春にかけて売る焼き芋が話題を呼んでいる。2005年から利用者の技術を生かし、工賃アップにつなげようと始めたが、リピータの客もいるほか、地域住民とのつながりも生まれるなど思いもかけぬ効果が出ている。
試行錯誤を重ねてきた
燃料のまきは利用者約15人で分担し、芋を入れる袋は新聞紙で手作りしている。芋が乾かないよう、水に浸したキッチンペーパーを巻いてから焼くなどの工夫をしている。また、甘みが強いとされる品種に変えるなどの試みもしてきた。
工賃は依然少ない
小椋年男理事長(59)は「障害のある人たちを地域で自然に受け入れてほしい」と語る。県障害者自立支援課によると、障害者施設の利用者が受け取る工賃の平均月額は1万771円(08年度)。焼き芋販売との売り上げ合計で、同施設の平均月額は約2万5千円という。他の施設よりも平均収入は多いものの、利用者が受け取る工賃は依然少ない。