帝国ホテルも受注
枝物栽培農家の
石川さん(60)は柳の枝に銀の液体を浸し、色づけ作業に毎日追われる。枝物は縁起物として需要が高く、東京の「
帝国ホテル」からも注文が来るという。「金銀に加工した柳は正月のお飾りになる。付加価値が高まるんだ」と石川さんは話す。石川さんは県農協中央会の職員として働いていた。実家は農業を営んでいたが担い手がなく、畑を人に貸していたとのこと。
農業の高齢化
しかしその畑も借り手の高齢化とともに荒れ始め、10年ほど前から放棄地の状態になっていた。そんな中、「青柳フラワー」の笹川茂さんと出会った。桃を毎年出荷できるよう研究し、安定的な収入につながる農業を目指していた笹川さんとの出会いで「これならできる。新しい農業の形になる」と確信して、枝物栽培を始めた。
新たな雇用
手軽に始められる枝物は今では80戸を超え、「
JA茨城みどり枝物生産部会」が組織されるまでになった。6割が50代で、多くが新規就農者。石川さんの畑がある地区では、耕作放棄地が減り、新たに1ヘクタールで枝物栽培の準備が進んでいる。関係者は将来的には障害者や高齢者の雇用拡大につなげると意気込みと語る。