要望を受け開発
富士フイルムRIファーマ株式会社(以下、富士フイルムRIファーマ)は2月19日、難治性褐色細胞腫を対象とした治療用放射医薬品「F-1614」の第2相臨床試験を開始したことを発表した。
「F-1614」は、副腎髄質ホルモンであるノルアドレナリンの類似物質メタヨードベンジルグアニジンに放射性ヨウ素(以下、131)を結合さた薬剤。
ノルアドレナリンは、神経伝達物質として作用し、血管の収縮、血圧の上昇、心拍数の増加などを引き起こす働きをもつ。
「F-1614」はこのノルアドレナリンと同様に、褐色細胞に取り込まれ、131から放出されるベータ線によって腫瘍細胞を傷害することで、治療効果を発揮する。
診断から治療までのトータルソリューションを目指す
131は欧州では承認され、すでに治療に広く使われているが、国内では、未承認だった。
しかし、「医療上の必要性の高い未承認薬適応外薬検討会議」に出された開発要望を受け、厚生労働省から開発企業の公募が行われており、また、海外で承認された131を用いた研究が進められていた。
富士フイルムRIファーマは、公募に応じ、131と同一製剤である「F-1614」を開発すると共に、この研究を引き継ぎ、今後、褐色細胞腫の診断から治療まで行えるトータルソリューションを目指すとしている。
(画像は富士フイルムRIファーマ株式会社HPより)
富士フイルムRIファーマ株式会社 ニュースリリース
http://fri.fujifilm.co.jp/information/detail/180219.html