鹿島建設は、11月29日、北海道三笠市内での「幾春別川総合開発事業の内 新桂沢ダム堤体建設第1期工事」にて、幅15メートルの型枠作業の「全自動化」に成功したことを発表した。
今年5月、同社では大分県大分市での大分川ダム建設工事において、幅15メートルの型枠を、クレーン作業を用いず自動で一括スライドさせることに成功していた。しかし、脱型など一部に人力作業が残されていたことから、「全自動化」に向けた更なる技術開発を進めていた。
技術概要
この技術は、作業員1名によるタブレット端末からの作業指示だけで、コンクリート打設後の脱型から、次の打設箇所までのスライド、セットまでの全てを自動で行うシステムだ。
具体的に、全自動化には、クレーン作業を伴わない型枠のセルフクライミング装置に加えて、重力式コンクリートダムで用いられる幅15メートルの大型鋼製型枠の脱型、スライドのための水平移動、次の打設箇所におけるセット、それぞれの作業に電動モーターを活用。
ダムフォームをスライドさせる際にズレを防止する同調制御や、型枠セット時の位置合わせを、ミリ単位で調節することも可能だという。
生産性の向上に大きく貢献
建設業では現在、技能労働者不足と生産性向上に即した技術開発が課題として挙げられている。
同社では、今後も自動化施工技術の開発を更に推進し、型枠セット時の測量も含めた幅60メートルの型枠作業の全自動化を目指す考えだ。
(画像は鹿島建設のホームページより)
鹿島建設 プレスリリース
https://www.kajima.co.jp/news/press/201711/29c1-j.htm