中間解析結果として学会でも発表
日本イーライリリー株式会社は、11月17日、「トルツ(イキセキズマブ)」の長期使用が、TNF阻害剤に対して効果不十分または忍容性がない関節症性乾癬の症状を改善したと発表した。
この発表は、米国イーライリリー社が11月8日に発表したニュースリリースを翻訳したもの。同剤の第3相SPIRIT-P2試験の延長期間で得られた中間解析結果として、学会でも発表されている。
炎症性サイトカインおよびケモカインを抑制
関節症性乾癬は、慢性進行性の病態を呈する炎症性関節炎。免疫系の過剰反応によって異常なシグナルが送られた場合に発生し、このシグナルによって、関節の中および関節周囲における腫脹・こわばり感・疼痛などの炎症が引き起こされる。治療しないまま放置すると、後遺症となる関節障害に至る可能性もある。
「トルツ」は、サイトカインであるインターロイキン 17A(IL-17A)に特異的に結合し、IL-17受容体との相互作用を阻止するモノクローナル抗体。IL-17Aは、自然発生して通常の炎症性および免疫反応に関与するサイトカイン。同剤は、炎症性サイトカインおよびケモカインの活性を抑制する。
3700万人を超える患者に期待をもたらすもの
今回中間解析結果が発表された第3相SPIRIT-P2試験は、TNF阻害剤に対して効果不十分または忍容性がない活動性関節症性乾癬患者に、「トルツ」を投与するというもの。52週間におよぶ延長期間に「トルツ」を投与した患者の大半が、主要評価項目であった疾患活動性の20%以上の改善を達成したという。
このデータは、世界中の関節症性乾癬による関節および皮膚症状に苦しむ3700万人を超える患者に期待をもたらすものであると、イーライリリー社はしている。
(画像は日本イーライリリーの公式ホームページより)
トルツの長期使用 関節症性乾癬患者において有効性改善 - 日本イーライリリー株式会社
https://www.lilly.co.jp/