局所進行切除不能非小細胞肺がん治療薬
アストラゼネカ株式会社は、10月18日、局所進行切除不能非小細胞肺がん治療薬としての「デュルバルマブ」の販売承認申請を、欧州医薬品庁 (EMA) が受理したと発表した。
この発表は、アストラゼネカ英国本社が10月9日に発信したプレスリリースを翻訳したもの。この申請は、欧州連合内における「デュルバルマブ」の最初の販売承認申請となる。
長期生存率が未だ低いステージ3の肺がん
EMAが受理したのは、プラチナ製剤ベースの根治的同時化学放射線療法の後に病勢が進行しなかった局所進行 (ステージ3) 切除不能非小細胞肺がん (NSCLC) の治療薬として、「デュルバルマブ」の販売承認を求める申請。
ステージ3の肺がんは、NSCLC罹患件数の約3分の1を占める。患者の腫瘍の多くは切除不能であり、標準治療としては根治的化学放射線療法が行われた後、進行の有無について注意深い経過観察が行われる。予後は依然として不良であり、長期生存率は低い。
「デュルバルマブ」は、PD-L1を直接標的とするヒトモノクローナル抗体。PD-L1とT細胞上のPD-1およびCD80の相互作用を阻害し、腫瘍の免疫からの逃避機構が働かないよう作用し、免疫反応を誘発する。
重要なマイルストーンになる
今回の販売承認申請は、「デュルバルマブ」の第3相PACIFIC試験における良好な無増悪生存期間データに基づくもの。無作為化二重盲検プラセボ対照多施設間国際共同試験である同試験は、全生存期間を評価すべく現在も継続されている。
アストラゼネカ英国本社は、今回の販売承認申請受理について、重要なマイルストーンになるとしている。
(画像はアストラゼネカの公式ホームページより)
欧州医薬品庁、デュルバルマブの販売承認申請を受理 - アストラゼネカ株式会社
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