高齢者施設の虐待、昨年度より3件減少
山形県は9月4日、「平成28年度の高齢者虐待の状況」についてまとめたものを発表した。
これによると、介護施設などにおける高齢者虐待数は1件。前年度と比べると、3件減少している。この1件は、特別養護老人ホームにおける身体的虐待及び心理的虐待。50代男性介護職員が「要介護度4」の80代の男性に対して、怒鳴ったり、首を握ったりしたもの。
家庭内での虐待は155件
家庭内における高齢者虐待数は、前年度より35件減少の155件だった。
虐待を受けている高齢者の75%が女性で、78歳以上の後期高齢者への虐待が78%と非常に多い。
虐待者は「息子」が最も多く48%。約半数を占めている。次いで「夫」21.1%、「息子の配偶者」10.5%と続いた。
虐待の種別は「身体的虐待」最も多く、66.5%。次いで「心理的虐待」43.5%、「経済的虐待」18.0%となっている。
虐待のサインに気づいて
山形県では高齢者の虐待防止対策として、さまざまな取り組みを行っているが、県民一人ひとりの「気づき」も虐待の防止につながるとして、高齢者や家族からのサインに注意してほしいと呼びかけている。
虐待を受けている高齢者からのサインには、「不自然なケガや傷がある」、「急におびえたり、怖がったりする」、「無気力」、「栄養失調や脱水症状」、「悪臭、服装の汚れ」などがある。
一方、介護疲れの家族からのサインには「無気力、投げやり」、「高齢者をどなる」、「しつけと称してたたく」、「高齢者の世話に対する不平・不満が多い」、「保健・福祉担当者と会うのを嫌がる」などがある。
身のまわりで思い当たることがあれば、自治体や「地域包括支援センター」に相談してほしい。
(画像はプレスリリースより)
山形県のプレスリリース
http://www.pref.yamagata.jp/