ヨーロッパの学会誌に掲載された
8月2日、ヨーロッパ心臓学会の学会誌「EP Europace」の電子版に、東北大学大学院医学系研究科循環器内科学分野の下川宏明教授の研究グループが開発した、頻脈性不整脈に対して衝撃波を用いた治療法が掲載された。
現在は高周波治療が主流
頻脈性不整脈は、1分間に100回以上脈が速くなる命に関わる疾患で、現在行われている治療法は、足の付け根などの血管から高周波カテーテルを心臓まで挿入し、心臓内部から患部を焼いて破壊する「高周波アブレーション法」が主流。
しかし、この「高周波アブレーション法」は、非常に有用ではあるが、熱を利用するため、深達度の限界や血栓塞栓症の危険性、炎症が長引くことによって起こる不整脈の再発などの問題点があった。
高周波の代わりに衝撃波
そのため、下川教授の研究グループは高周波の代わりに衝撃波を使ったアブレーション治療の研究を行い、改良を重ねてきた。
そして今回、動物実験によって「改良版衝撃波アブレーション法」の安全性が実証され、熱を発生しない衝撃波によって数々の問題点が改善され、治療による危険性が少なくなる。
今後の不整脈治療において「改良版衝撃波アブレーション法」は、大きな進歩となることが期待される。
(画像はホームページより)
東北大学病院 不整脈に「衝撃」的な解決策
http://www.hosp.tohoku.ac.jp/release/news/10066.html