日本の蓄電池メーカー3社とドイツの電力会社で実施
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、ドイツ・ニーダーザクセン州経済・労働・交通省、ニーダーザクセン州の電力供給を担うEWE-Verband、その100%子会社EEW Holdingは3月21日、「大規模ハイブリッド蓄電池システム実証事業」について、3月19日に基本協定書(MOU)を締結した、と発表。
同時にNEDOの委託先である日立化成株式会社、株式会社日立パワーソリューションズ、日本ガイシ株式会社の3者と、ドイツの地域電力会社であるEWE AGは、本実証事業を共同で実施する協定付属書(ID)を締結した。
ハイブリッド蓄電池システムで電力品質の維持機能を実現
ドイツは、風力発電、太陽光発電等の再生可能エネルギーを積極的に導入し、2050年には国内電力需要の80%以上を再生可能エネルギーに代替するエネルギー転換政策「Energiewende」を推進している。
ドイツ北西部に位置するニーダーザクセン州は、2015年時点でドイツ最大の風力発電量を有する地域である。
再生可能エネルギーの利用増大により、周波数の維持、電力の需給量と供給量の差インバランスの発生、局所的な系統電圧の不安定性など、電力の品質が問題となっている。
今回の実証事業は、ドイツ・ニーダーザクセン州ファーレル市に大規模ハイブリッド蓄電池システムを構築し、蓄電池の充放電により電力需給バランスを調整する電力系統の安定化を図り、同システムを用いた新しい電力取引事業のビジネスモデル確立を目指すものである。
大規模ハイブリッド蓄電池システムは、日立化成のリチウムイオン電池、日本ガイシのNAS電池、日立パワーソリューションズの電力系統情報および蓄電池制御システム(系統情報制御システム)、を使用して構築する。
従来火力発電が担ってきた電力品質の維持機能を実現し、EWE AGグループの電力取引システムにより電力取引を行う。
また、同システムをドイツ国内外の発電事業者や電力取引事業者に販売するため、新たな電力取引事業のビジネスモデルを検討し、今後の普及を目指すという。
実証事業の期間は3年間
大規模ハイブリッド蓄電池システムの実証事業の期間は、2017年4月~2020年3月までの3年間。予算総額は、約28.8億円である。
(画像はプレスリリースより)
新エネルギー・産業技術総合開発機構のニュースリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100738.html