名古屋市立大学大学院などが研究
名古屋市立大学と東京医科歯科大学、生理学研究所の共同研究チームは2月20日、脳機能を向上させるたんぱく質を分解し、不活化する酵素を確認したと発表しました。この成果により、アルツハイマー型認知症や統合失調症といった精神神経疾患治療の新薬の開発が期待されます。
この研究は名古屋市立大学大学院薬学研究科病態生化学分野の服部光治教授らの研究チームによるもので、神経細胞の機能を制御しているたんぱく質「リーリン」に着目し、リーリンを分解し、機能を低下させる酵素が「ADAMTS-3」と呼ばれるものであることを突き止めました。
精神神経疾患治療薬を研究開発
アルツハイマー型認知症と統合失調症は症状が異なる病気ですが、いずれも精神神経疾患であり、その発生と発病の仕組みににおいて脳機能に関する遺伝子とたんぱく質の異常が関わっている点が共通しており、これらの病気は患者数が多く、社会問題として治療法の確立が待たれています。
この研究の成果は、 2月17日(米国東部時間)に北米神経科学会の「The Journal of Neuroscience(ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス)」 電子版に掲載され、現在、リーリンの機能を低下させる酵素「ADAMTS-3」の阻害薬の研究開発が、名古屋市立大学医学部と製薬会社により共同で行われています。
(画像はプレスリリースより)
精神神経疾患の改善につながる酵素の発見
http://www.nagoya-cu.ac.jp/