適材適所の外装塗料の選定や、LCC削減に貢献
2017年6月29日、鹿島建設株式会社は、建物の外装等に用いる塗料の耐用年数を製品・使用地域に応じて精度良く推定する「鹿島式 外装塗装材料耐用年数推定法」(以下、同推定法)を確立し、一般財団法人日本建築センターの建設技術審査証明を取得したと発表した。
塗料は劣化すると、美観を損なうだけではなく、剥がれやひび割れの原因となり建物の保護機能の低下につながるため、建物の維持管理計画において、外装の適切な更新時期を推定する必要がある。
同社は、最適な外装塗料の選定や建物の維持管理計画立案などに同推定法を活用し、建物外装仕上げの耐久性向上と、建設・運用維持管理・修繕・更新・解体処分までの全ての費用(LCC、ライフ・サイクル・コスト)の削減に貢献していくとのこと。
鹿島式 外装塗装材料耐用年数推定法の概要
塗料の耐久性は、メーカーや製品ごとにばらつきがあり、さらに、塗料を劣化させる主因の外気温や紫外線量(以下、劣化外力)は、使用する地域や物件の日光の当たり方によって大きく異なるため、耐用年数を精度良く推定することは困難であった。
そこで、同社は、各種耐候性試験や既存建物の実測から得られる「外装塗料固有の劣化外力に対する耐候性」に、日本各地の気象データなどから定量化した「使用地域ごとの劣化外力の強弱」を加味して、外装塗料の耐用年数を製品・使用地域ごとに精度良く推定する独自手法を確立した。
さらに、同推定法を用いて、使用する地域で要求される耐用年数から、最適な外装塗料を選定することも可能になる。
なお、同推定法で推定した耐用年数と、全国の同社施工物件で劣化状況を実測したサンプル結果との間に高い相関性が認められたため、同推定法は、2016年9月、一般財団法人日本建築センターの建設技術審査証明(以下、同証明)を取得した。
同証明は、既存技術と比べて優位な特徴を有することを、第三者機関において客観的に審査し、証明したもの。
(画像はプレスリリースより)
鹿島 プレスリリース
http://www.kajima.co.jp/news/press/201706/29a1-j.htm