賃貸不動産市場その動向と相場2017Q2 大阪の状況
CBREが6月20日に発表した「賃貸不動産市場その動向と相場 2017Q2」によると、大阪ではグレードAビルの空室率は1%台と非常に低い水準だ。
大阪オールグレード空室率、調査開始以来最低値
CBREの調査によると、大阪オールグレードビルの2017年3月期の空室率は3.2%で、2016年12月期に比べ0.7ポイント低下した。この値は1993年のCBRE調査開始以来最低値となった。
大阪グレードAに限定すると空室率は1.1%で、前期比1.7ポイントの低下。エリア別では梅田1.0%、堂島1.6%、中之島2.1%、淀屋橋2.9%と、どのエリアの空室率も極めて低くなっている。
この状況に伴い、想定成約賃料も上昇傾向が継続し、上昇相場は大阪全体に広がりつつある。グレードAは、坪あたり20,900円と前期に比べ550円の大幅上昇。グレードBも、坪あたり11,850円で前期比200円の上昇となった。
旺盛な需要、空室在庫は加速度的に減少
CBREによると、大阪市中心部では、1か所で300坪以上となる空室を確保するのは困難な状況となっているが、拡張移転や新規開設、館内増床などの引き合いが多く、需要は旺盛。
移転元の二次空室もすぐに消化されるケースが多く、市場の逼迫感をさらに強めているという。
供給量は限定的、貸し手優位
今年4月に竣工した「中之島フェスティバルタワー・ウエスト」は総貸室面積が約21,000坪だったが、開業時にはほぼ満室となっていた。
今年予定されている大型新築ビルでは、「(仮称)新MID大阪京橋ビル」があるが、テナントは既に決定済み。今後は、2018年9月竣工予定の「(仮称)新南海会館」まで大型供給の予定はない。
このためCBREでは、空室率は来年にかけて引き続き低水準で、市況は貸し手優位が続くと見込んでいる。
(画像はCBREホームページより)
賃貸不動産市場その動向と相場2017Q2 大阪
https://www.cbre-propertysearch.jp/