視覚障がい者が自力で利用できる電子図書館システム
大日本印刷株式会社、株式会社図書館流通センター、日本ユニシス株式会社、株式会社ボイジャーが共同で、視覚障がい者が電子図書館を利用する時に、音声による読み上げとキーボード操作により、読みたい本を検索し、見つけ出し、借りる、読む(聞く)ことが他の助けを借りず、自力でできる閲覧用ウェブブラウザを搭載した電子図書館システムを開発した。
日本の視覚障がい者は約164万人
日本国内の視覚障がい者は、弱視も含め約31万人で、高齢による視力障がいの人を合わせると、約164万人といわれている。現在視覚障がい者が出版物を読む(聞く)場合、挿絵のイメージなど文字以外の情報も伝えてくれる図書館ボランティアなどによる朗読サービスは、視覚障がい者にとって不可欠なものだが、一方自力での読書は難しいものだった。
いずれ視覚障がい者の仕事環境にも役立つ日が
そこで注目されたのが電子書籍だ。近年の電子書籍は、文字サイズの変更や音声による自動読み上げといった機能が充実、これを使って視覚障がい者が自立的に出版物を読む(聞く)ことが可能となる電子図書館システムの環境整備が期待されていた。
現在、先の4社が提供している電子図書館サービスのシステムは、健常者には分かりやすい画面構成だが、多数の視覚障がい者が使用するパソコンやスマートフォンの画面読み上げソフトに適合していない課題があった。
そこで4社は2014年から立命館大学の研究プロジェクト「電子書籍普及に伴う読書アクセシビリティの総合的研究」と共同で視覚障がい者向けのシステム開発を進め、今回の発表に至った。今後、こうしたシステムが視覚障がい者の仕事環境を高めることにも役立つことを期待したい。
(画像はプレスリリースより)
大日本印刷株式会社のニュースリリース
http://www.dnp.co.jp/news/10122840_2482.html