スイスのロシュ社が欧州で取得
スイスのロシュ社は、6月8日、特定のタイプの進行肺がん患者に対する「Avastin」と「Tarceva」の併用療法について、欧州で承認を取得したと発表した。
この承認は、上皮増殖因子受容体(EGFR)遺伝子変異陽性の切除不能な進行、転移性または再発非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の成人患者の1次治療における両剤の併用療法についてのもの。
がん治療に変革をもたらし続けている「Avastin」
「Avastin」は、進行がん患者の治療に広く用いられている、初めての血管新生阻害剤。同剤は2004年、進行性結腸・直腸がんの効能で米国にて、最初の承認を取得。以来今日に至るまで、いくつかのがん種で証明された生存期間の延長を通じ、がん治療に変革をもたらし続けている。
「Tarceva」は、進行または転移性NSCLCの治療に用いる1日1回経口投与の非化学療法剤。がんの増殖と成長に関わるタンパクであるEGFRを阻害する作用を持つ。米国ではアステラスファーマUSとジェネンテック社が、日本では中外製薬が、その他の国々ではロシュ社が開発と販売を行っている。
肺がん患者の転帰改善は重要な課題
NSCLCは、肺がんのうち最も一般的なタイプのがん。欧州では、毎年約23000人がEGFR遺伝子変異陽性のNSCLCと診断されており、この数は毎日60名以上が診断されることに相当する。また欧州および世界中で、がん関連死の原因の第1位にもなっている。
ロシュ社は、全てのがん種の中で肺がんが、最大の影響を世界経済や社会へもたらすとする。そして肺がん患者の転帰改善は、重要なグローバルヘルスケア課題になるとしている。なお日本における承認取得の発表は、中外製薬株式会社が6月10日、翻訳版により行った。

ロシュ社は特定のタイプの進行肺がん患者さんに対するAvastinとTarcevaの併用療法について承認取得 - 中外製薬株式会社
http://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/