高度管理医療機器「ディーシー ビーズ」が適応追加承認
エーザイ株式会社が、高度管理医療機器「ディーシー ビーズ」が適応追加承認されたことを発表した。これにより使用目的が変更され、「多血性腫瘍又は動静脈奇形を有する患者に対する動脈塞栓療法」となった。
「ディーシー ビーズ」は症状のある血管を塞栓するために、利用される血管塞栓用ビーズだ。BTGインターナショナルグループ傘下のBiocompatibles UK Limited により開発された、架橋化ポリビニルアルコール高分子からなる親水性の球状微粒子である。
どんな症状に活用されるのか?
「ディーシー ビーズ」は主に動静脈奇形や多血性腫瘍への活用が期待されている。腫瘍組織に栄養分を与えている血液を部分的に塞栓することで、腫瘍の症状の改善が図られる。
厚生労働省の「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」でも早期導入が期待されていた。「ディーシー ビーズ」血管塞栓療法の実証実験結果が行われ基準を満たす安全結果が出たことにより今回の追加承認が認められた。
「ディーシー ビーズ」についてエーザイ株式会社のニュースリリースから詳細を紹介する。
ディーシー ビーズについて
本品は、架橋化ポリビニルアルコール高分子からなる親水性の球状微粒子であり、注入用カテーテルを通じて目標とする血管を選択的に塞栓するための血管塞栓用ビーズです。
微細で均一な球状の粒子であるため、血管径や腫瘍の大きさ等の対象範囲に合わせた持続的な塞栓が可能になることが期待されています。本品を用いた塞栓は、X線透視下において標的血管の血流停滞を観察して確認します。本品には、粒子サイズの異なる3種の製品(100~300µm粒、300~500µm粒、500~700µm粒)があり、標的血管の血管径、腫瘍の大きさおよび塞栓範囲を考慮し、適切な粒子サイズを選択することができます。
国内臨床試験において確認された主な有害事象は、塞栓術後症候群、リンパ球減少、便秘などです。日本では、2013年4月に「肝細胞癌患者に対する肝動脈塞栓療法」の適応を取得し、2014年2月より発売しています。
<エーザイ株式会社のニュースリリースより>
今回の「ディーシー ビーズ」導入により動静脈奇形や多血性腫瘍などの医療従事者や患者にとっては、新たな治療の選択肢が広がることになる。
(画像はイメージです)
参考URL
エーザイ株式会社のニュースリリース
http://www.eisai.co.jp