クロマグロは、祝い事などで珍重される魚
日本で生活する我々にとって、魚は欠かせない食材の一つである。
中でもマグロは日本が世界最大の消費国となっているほか、世界第2位の漁獲国でもある。特に象徴的なマグロは「本マグロ」と呼ばれる「クロマグロ」であり、祝い事などでは珍重される魚であるといえる。
クロマグロの資源減少には、漁獲制限が有効
しかしながら、太平洋クロマグロの漁獲量は、ここ20年で激減しており、危機的な状況となっている。主な理由として、30kg未満の未成熟魚を多く獲っていることがあげられる。
これまでのペースでクロマグロを獲り続けた場合、さらに資源が減少する可能性がある。なお、この状況を回避する方法としては、漁獲量の制限が有効である。その理由として、クロマグロの繁殖力の高さがあげられる。
親魚の資源量 4万3000トンへの回復を目指す
昨年12月、南太平洋のサモア独立国で開催された「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)第11回 年次会合」では、2015年以降の太平洋クロマグロ保存管理措置として、現状最低水準にある親魚の資源量約2万6000トンを、2015年からの10年間で約4万3000トンにまで回復させることを目標とした。
目標達成のため、30kg未満のクロマグロの漁獲量については、日本は4007トンを限度とするほか、30kg以上のクロマグロの漁獲量については、日本は4882トンを限度とすることを決定した。
漁業制限により不満を訴える漁協もみられるものの、水産庁では漁業関係者や消費者らの理解を得ながらクロマグロの資源管理を進めて行く方針だ。
なお、現在はクロマグロの完全養殖の研究が進行しており、資源に負担をかけない取り組みとして注目されている。
農林水産省 特集 太平洋クロマグロの資源管理
http://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1508/spe1_01.html水産庁(プレスリリース 平成26年12月5日付)
http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/kokusai/141205.html