高効率で高安定性
住友電気工業は、次世代のパワー半導体とされている、シリコンカーバイド(以下、SiC)の組織構造を持つパワートランジスタを開発した。
新しいトランジスタは、低いオン抵抗、高い安定性を提供し、また、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)、ソーラーパワーコンディショナ、その他の用途のために必要とされる様々な優れた性能特性を達成している。
パワー半導体の問題点
近年、省エネルギーの必要性が増大していることもあり、パワー半導体には、電力変換損失の低減が強く求められている。パワーデバイスのために広く用いられているシリコン(Si)と比較して、SiCは高い耐圧と低いオン抵抗を有している。
このため電力機器における電力損失が劇的に減少するので、SiCは次世代のパワー半導体と言われているが、一方で、SiCは化合物半導体であるため、その結晶欠陥は信頼性にも関わる問題となっていた。
結晶欠陥が低く安定性が高い
新しいSiCトランジスタは、電子の流れをオン・オフできるチャネルのための特定の面方位(0-33-8)を使用する、V溝の金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(VMOSFET)であり、通常方位(0001)に比べて相対的に結晶欠陥が低くなる酸化膜界面の形成を実現した。
その結果、新しいトランジスタは非常に低いオン抵抗の耐圧を実現しており、SiCトランジスタの実用化を妨げている閾値電圧変動(1000時間、175℃で0.12 V以下)を安定化させることが可能となった。
これらの利点により、新規のSiCトランジスタは、EV車、HEV車、その他の車両駆動システムの電子化とともに、将来的に需要が増加すると予想される自動車の電子デバイスにおける使用に適している。
住友電気工業は、パワー半導体デバイス&ICに関する第27回国際シンポジウム(ISPSD)で、これらの成果を報告し、Charitat賞を受賞した。
(画像はプレスリリースより)

住友電気工業 Press Release
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