米国臨床第I相試験 高い忍容性確認
富士フイルム株式会社(以下、富士フイルム)は、血液がん(再発・難治性の骨髄異形成症候群(MDS)及び、急性骨髄性白血病(AML))の患者に対する抗がん剤「FF-10501」の米国臨床第I相試験において、高い忍容性が確認され、さらに一部の患者で部分寛解及び骨髄寛解が得られたことを発表した。
「FF-10501」は、富士フイルムが自社での研究・開発をもとに薬効を確認できるバイオマーカーの候補を同定した抗がん剤で、血液がん細胞の増殖を抑制するだけでなく、正常機能を持つ血球細胞への分化を促進することが期待されている。
骨髄異形成症候群・急性骨髄性白血病
MDSは、造血幹細胞の異常により十分な量の血球を作ることができなくなった結果、血球減少を起こす難治性疾患である。現在、MDSの患者数は、米国で約60,000人、日本で約11,000人と推定されており、高齢者が多い。
また一部の患者はAMLに進行し、異常を起こした造血幹細胞の割合がMDS以上に増加するため、正常な血球ができなくなるだけでなく、その細胞が骨髄外の組織に入り込んで障がいを引き起こすこともある。患者数は米国で約25,000人、日本で約6,000人と推定されている。
第II相臨床試験に向けて
富士フイルムは、2014年8月からテキサス州立大学MDアンダーソンがんセンターで、再発・難治性のMDS及びAMLの患者を対象に「FF-10501」の米国臨床第I相試験を進めてきた。
この試験は現在も進行中だが、現時点までに投与した全17人の患者において、高い忍容性があること、17人の内、8人の患者において、病勢が安定したこと、さらに、上記8人の内1人のMDS患者で骨髄寛解、2人のAML患者で部分寛解が得られたことが確認できた。
今後、MDアンダーソンがんセンターでさらなる高用量での忍容性評価を継続するとともに、有効性評価を行い、前期第II相の臨床試験へ移行予定である。
富士フイルム ニュースリリース
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