低日射、低光量でも機能
有機系太陽電池技術研究組合(RATO)は、2015年11月25日、NEDOプロジェクトの一環で埼玉県所沢市と協定を締結し、有機系太陽電池の実証試験を開始したことを明らかにした。
太陽光発電は独立電源や自家消費などに用いられているが、新たな用途を開発するプロジェクトが進められている。今回のプロジェクトはその一つで、低日射や低光量でも発電する利点を持つ有機系太陽電池を自発光誘導灯として活用するものである。
緊急時自発光誘導デバイス
RATOは、有機系太陽電池を用いた自立型発光デバイス「E-SEG(Emergency self-emitting guidance light device)」を開発した。LED、蓄電池と組み合わせたデバイスで、電源・配線に制約されないコードレスに加えて、特殊な架台などを使わずに低コストで設置できる緊急時用誘導灯である。
「マチごとエコタウン所沢構想」を掲げる所沢市は、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの導入に積極的に取り組んでおり、このたびの協定締結となった。
実証試験では、「E-SEG」49個を同市内の航空公園駅周辺に設置し、日没から日の出までに発光させた状態で、誘導灯としての使用状況を実証する。「E-SEG」のサイズは150ミリ角、1メートルの発光体を備えている。
「E-SEG」の実使用環境下での実証により、耐久性など性能の課題を確認し、実用化に向けて解決する計画である。
(画像はプレスリリースより)
NEDO プレスリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100492.html