40%の再発リスク減少を確認
独立行政法人国立がん研究センター、および京都府立医科大学など、全19施設の多施設共同研究グループは、薬剤による大腸がん予防に繋がる臨床試験を行い、国内で初めてその有効性を確認した。
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喫煙もリスク増減に影響
本臨床試験は、大腸がんへ進行する可能性の高い大腸ポリープ(腺腫)を摘除した患者331名に既存薬である低用量アスピリン腸溶解錠(100mg/日)またはプラセボ(偽薬)を2年間投与し、無作為化比較試験で再発リスクを検証したところ、アスピリン群がプラセボ群よりも再発リスクが40%減少したという結果が得られた。また、この有効性は喫煙者では示されず、非喫煙者に限り有効であることも判明した。
今後さらなる研究と開発を継続
日本人が罹患しやすいと言われる大腸がんは、胃がんに次いで2番目に高く、安全なアスピリンを用いた大腸がん予防が実現することができれば、今後の大腸がんの罹患数と死亡数の減少および医療費の削減に大きく貢献できる。
今後、対象を増やした研究を通して安全で効果のある予防薬の開発を行っていくとのこと。(森田春泥)
独立行政法人国立がん研究センター プレスリリース
http://www.ncc.go.jp/jp/