155人を救助、200人以上が行方不明
イタリア南部の地中海に浮かぶランペドゥーザ島沖で3日、難民を乗せた船が火災を起こし、沈没した。ランペドゥーザ島の海岸から、わずか数百メートル離れていただけだった。少なくとも114人が死亡したという。ドイツメディアが3日、報じた。
この船は、リビアのミスラタから出港し、約500人が乗っていたとみられている。沿岸警備隊や地元の漁民らは、すぐに救助作業にあたったが、最終的に155人を救助することができた。だが、約200人が今もなお行方不明だ。
ダイバーは、沈没した船の中に約100体の遺体を発見したと報告。死亡した人の中には、女性や子どもが多く含まれている。最年少の犠牲者は3か月だという。9月30日には、シチリア島沿岸沖でも難民船の事故があり、13人が死亡した。
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lampedusa/by noborder networkランペドゥーザ島に上陸した難民、2万2000人
ランペドゥーザ島はチュニジアとシチリア島の間に位置する。そのために、北アフリカから船で到着する難民や移民が上陸する場所になることが多い。1999年以来、アフリカやアジアから内戦や飢餓などを逃れた人たち20万人以上が座礁した。そのうち、1~2万人が死亡したと推定される。
特に、今年は例年よりも難民の数が多く、ソマリアやエリトリア、エジプト、リビア、チュニジアなどから逃げてきた。1月以来、ランペドゥーザ島に到達した難民の数は2万2000人にものぼるという。
難民政策失敗の象徴
今回の悲惨な事故は、地中海上で発生した一連の事故の中でも最悪で、非合法移民をめぐる論議を呼ぶのは必至だ。ランペドゥーザ島は、ヨーロッパの難民政策失敗の象徴ともいえる。
欧州委員会で移民・難民問題を担当するセシリア・マルムストローム内務担当委員は、「難民船の識別および救助に関することが改善されるべきである」と発表した。また、「欧州連合(EU)加盟国に対し、より亡命希望者のための政策を取ること」を訴えた。

シュピーゲル誌(Spiegel Online)
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