産学官連携功労者表彰にて厚生労働大臣賞を受賞
第11回産学官連携功労者表彰にて、東京大学と東京工業大学、アステラス製薬会社の3つの機関が共同で開発した世界初の「顧みられない熱帯感染症」創薬研究向け統合型データベース 「iNTRODB(イントロ・ディービー):Integrated Neglected TROpical disease DataBase」が厚生労働大臣賞を受賞した。
「顧みられない熱帯感染症」というのは、開発途上国の熱帯地域や貧困層を中心として蔓延しているウィルスや、細菌などの感染症のことだ。WHOで定められている17の疾患群において、世界で10億人以上が感染していると考えられている。
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データベースが世界規模の課題解決に貢献
特に「顧みられない熱帯感染症」が蔓延している地域は必要な医療を受けることができない、もしくは医薬品を入手できない事が多く、多くの人々の生命を脅かしている。またこの感染症が広がることが経済活動の足かせとなり、貧困の原因の一つとなっている。
「iNTRODB」は、東工大のスーパーコンピュータとIT技術。東大の寄生原虫に関する遺伝学的、生物学的な知識や知見。アステラス製薬の創薬に関する知識や知見を融合したNTDs世界初の研究向け総合データベース。データは単に統合しただけではなく、医薬品の研究で創薬標的候補として優れているかどうかの判定に必要な情報を得ることが出来るように設計されている。またデータベースは治療薬が早期に生み出されるように世界中の研究者に対して無償で公開されている。
今回産学官連携功労者表彰「厚生労働大臣賞」を受賞した理由は、熱帯感染症チームが、開発した「iNTRODB」が世界中の「顧みられない熱帯感染症」の創薬に携わっている研究者に活用され、研究活動を加速させているということだ。日本の産学官や国際NPOなどの緊密な連携によって、世界規模の課題解決に貢献した事例として高く評価される。(福田絵美子)

東京工業大学 東京大学 アステラス製薬株式会社プレスリリース
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