リーダーなき世界
20世紀から今世紀のアメリカ国防予算の推移では、第二次大戦以降、超大国アメリカは朝鮮戦争、ベトナム戦争、最近では湾岸戦争、イラク戦争と世界の警察官として代理戦争を続けてきた。
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しかし、オバマ大統領は3年前イラクからの撤退を決断、防衛費の削減にも着手している。2009年にオバマ大統領がノーベル平和賞を授与したのは記憶に新しいが、最近では、効果的な軍事力を行使できないオバマ外交を“弱腰”と批判する声が大きい。
さらに深刻さを増すシリア内戦だが、化学兵器の使用に関し、オバマ大統領はロシアのプーチン大統領に足元を見られている。ここでも、アメリカの影響力の低下を如実に示す。二期目に入ったオバマ大統領は、「内憂外患」で全くリーダーシップが発揮できない。
冷え込んだ同盟国関係
そのことで今最も危機感を憶えているのは、シリアの隣国でありアメリカの同盟国であるイスラエルであろう。歴代のアメリカ大統領は、“ダブルスタンダード”と揶揄されながらも、親イスラエルを固持。
しかし、オバマ大統領はイラクから撤退。さらに、イスラエルのネタニヤフ首相にエルサレムの分断を示唆している。もはやアメリカと言う大きな後ろ盾を失くしたイスラエルからは、国外退去者が後を絶たない。
迷走を続けるオバマ政権
さらに、独裁者イラク元大統領フセインの出身地テイクリート及び第2都市モスルでの反政府武装勢力の襲撃は、バクバにも及び第1都市のバグダッドに迫る勢いだ。
今回驚くべきことにこのイラク情勢の制圧に、アメリカと長年対立してきたイランが皮肉にも協力の手を伸ばしている。前政権時、“テロリスト国家”とアメリカが名指したイランとアメリカは手を組むことになるのだろうか。中東でのアメリカの迷走は続く。
アメリカ予算と国防費
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