ET-743(トラベクテジン)
大鵬薬品工業はET-743(一般名:トラベクテジン)が染色体転座が報告されている組織型の悪性軟部腫瘍患者を対象とした、第II相臨床試験(76例登録)で、支持療法群に対して無増悪生存期間が延長することを確認した。
ET-743は大鵬薬品工業が2009年3月にスペインのファーママー社から導入した新規悪性腫瘍剤。ホヤから単離された天然物で、現在は合成法が確立している。DNA結合することにより、抗腫瘍効果を発揮、腫瘍微小環境にも作用が知られている。
(画像はイメージです)
欧州では2007年に進行性の悪性軟部腫瘍治療薬として欧州医薬品庁で承認を取得。現在、欧州、ロシア、カナダ等で「Yondelis(R)」の製品名で発売中。
悪性軟部腫瘍
悪性軟部腫瘍とは体の軟部組織から発生した悪性腫瘍を指す。軟部組織とは実質臓器(肺や肝臓)と支持組織(骨や皮膚)を除いた筋肉、結合組織、血管、リンパ管、関節あるいは神経を包括した名称。
悪性軟部腫瘍は10万人に2人程度の発生率で、日本では推定患者数約3,000人の希少疾病。一部に染色体転座とそれ由来の融合遺伝子が存在し、融合遺伝子が腫瘍発生の原因であると推定されている。(木村 彰男)

大鵬薬品工業 ニュースリリース
http://www.taiho.co.jp/corporation/news/2014/20140422.html