メキシコの石油輸出額を上回った自動車輸出額
米国への自動車輸出額が、カナダに次ぎ、第二位にメキシコが浮上した。メキシコ産業別輸出額のトップは、石油であったが、現在は、自動車輸出額が一位に踊り出ている。
米国向けテレビのフラットスクリーン輸出額も他国を凌ぎ一位になっている。
国内需要の停滞
輸出額の拡大とは裏腹に国内需要は、停滞している。2001年以降10年間の輸出額平均増加率は、年間7.1%増であるが、昨年度末の国内小売売上高は、2%増に留まっている。
近隣諸国、チリ5%増、ブラジル5.1%増、コロンビア5.6%増に比べると、半分以下である。
低賃金が原因である購買力の低下
メキシコ政府労働省のデータによると、2003年以降、自動車産業で働く従業員の所得上昇率は年間平均0.3%であり、毎年、インフレ率より少し上回る賃金値上げ率を繰り返すパターンが定着している。
このような状況下での国民の生活は、余裕がなく、市場の購買力低下から、経済成長率に影響を及ぼしている。
南米で2番目に経済力があると謳われているメキシコだが、過去10年間で、年2.6%の経済成長率は、ブラジル3.8%、チリ4.7%、ぺルー6.4%に比べると、低い数字だ。
最低賃金引き上げを審議
政府は、国内需要を高める為、現在の一日最低賃金67.29ペソ(4.93ドル)の引き上げを審議しており、来年の4月までに推奨案が提出される予定だ。
メキシコの最低賃金は、南米主要16カ国の内、最も低い。国民の46%が貧困層であるメキシコは、ここ10年間、貧困層の生活向上に改善が見られない。
(画像はイメージです)

Bloomberg
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