先月末から上昇し続ける
東京電力福島第1原発2号機で、原子炉の温度計が先月末から上昇し続けている。13日午前10時の値は91.2℃となっており、「冷温停止」の目安とされる80℃を上回っている。
東電は「温度計の故障」と発表
この事態を受け、原子炉への注水量を毎時17tにまで増やしたが、温度計の値は上昇を続けた。
東京電力では、問題の温度計が故障している可能性が高い、と発表。国の原子力安全・保安院も、冷温停止状態は維持されている、との見解を示した。
他の温度計の値がむしろ低下しているためだという。
どうしても「温度計の故障」にしたい
現場で働く作業員の中には、温度計の故障に疑問を示す人がいる。Twitterへの投稿によると、温度計の故障であれば、針が上下どちらかに振り切れる場合がほとんどだという。
燃料棒が原子炉内のどこかに滞留している状態では、一部の温度のみが上昇することはありえる。
そういった可能性に目をつぶってでも「温度計の故障」とするのは、停止中の原子力発電所を再開するためと見られる。
今月20日には、国内すべての原子炉が停止する。再稼働に向けてさまざまな取り組みがなされており、4月には大飯原子力発電所の再稼働が計画されている。
ただし、冷温停止による「ステップ2」の達成が条件とされているため、東電では「80℃」という建前を絶対に維持する必要がある。
91.2℃を示した温度計は、「故障している」とせざるを得ないのはそのためだ。
現場が恐れる注水量の増加
この80℃維持のため、事故処理が続く福島第1原発では、無理な作業が行われているという。
今回の注水量増加もその一つだ。Twitterに投稿を行っている作業員は、汚染水処理システムがパンクする可能性を示唆。再臨界よりそちらが恐ろしい、と語る。
◆ハッピー@Happy20790
https://twitter.com/happy20790◆福島第一原子力発電所プラント状況等のお知らせ
http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/press_f1/2011/htmldata/bi2057-j.pdf