末期がんにも効果あり
「がんワクチン」が検索キーワードランキングで急上昇、注目を浴びている。きっかけはNHKの情報番組「あさイチ」だった。
がんワクチン療法を実施している施設がん細胞の目印を投与
インフルエンザワクチンなど、ワクチンで病気を防ぐ仕組みは、基本的には似通っている。
病原体と同じ特徴を持つワクチンを投与することで、病原体を攻撃する自己免疫細胞を活性化させるのだ。
がんワクチンでは、がん細胞の目印となるタンパク質の断片、「ペプチド」に注目。これを投与することで、がん細胞を攻撃するキラーT細胞の増殖をうながし、免疫力を高める。
副作用などがほとんどなく、「治療法がない」とされた末期のすい臓がん患者などでも成果を上げている。
免疫力を高めるため、再発を防ぐ予防効果も高いとされる。
注射1回10万円弱
現在まだ治験段階のため、がんワクチンを利用できる医療機関は限られている。東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター、あるいは久留米大学病院などで行われている治療が「あさイチ」では紹介された。
臨床試験への参加、という形をとることになり、費用は下記のようになる。
・1クール目:6回投与で約58万円(初回の血液検査代込み)・2クール目:6回投与で約50万円。
すべてのがんに効くわけではないが
ワクチンは、すい臓がんや肝臓がんなど、がんの種類によって異なる。現在、研究されているワクチンは数多く、それぞれ治験においてさまざまな段階にある。
東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターが研究を行っているすい臓A、グラクソ・スミスクライン株式会社が開発を進める肺Aなど、研究が進んでいるものでは、第3段階の終盤にさしかかっており、早ければ今年中にも実用化される見込みだ。
◆あさイチ
http://www.nhk.or.jp/asaichi/2012/02/06/01.html