米圧力で原油高騰
イランからの石油輸入をやめるよう、米国が世界に圧力をかけている。イランの核開発に対抗する処置だが、これに対してイラン側は、ホルムズ海峡を封鎖する、と警告。緊張が高まっている。
石油の大半を中東に依存している日本では、原油価格、物価の高騰が懸念される。
中東に依存する日本の石油事情
原油のほとんどを海外から輸入する日本だが、中東に対する依存度は特に高い。2009年の統計でも、輸入量の89.5%がサウジやUAE産のものとなっている。
イラン産は10.9%だが、ホルムズ海峡を封鎖されれば、中東のその他各国からの輸入も困難になる。
現状、ホルムズ海峡を通ってくる石油は1600万バレル/日くらい。さまざまなパイプラインなどを活用しても、迂回して輸入できるのはこの半分程度になる。
原油・物価高騰が予想される中での税制議論
現在、国会では与野党が消費税増税を巡り議論を戦わせている。東日本大震災の影響もあり、国内経済が落ち込む中、さらに増税となれば国内消費の落ち込みは必至だ。
原油価格は現在でも高騰が続いている。極端な円高にもかかわらず、ガソリンの価格が高止まりしているのはこのせいだ。
ホルムズ海峡が封鎖され、火力発電への依存がさらに高まれば、ガソリン価格はもちろん、物価全体の急上昇が予想される。
国内消費へのダメージは計り知れない。国家予算の収支バランスを増税で埋める、という単純な発想ではなく、経済全体を俯瞰した税制議論が望まれる。
◆河野太郎ブログ
http://www.taro.org/2012/01/post-1153.php