子どもは早期治療でほとんどの症状が軽減
脳や脊髄は脳脊髄液という液体で周りを満たされている。事故などによりこの液が漏れることで、頭痛やめまい、耳鳴り、倦怠などを生じるのが脳脊髄液減少症である。
子どもの場合、発症から1年以内に治療すれば、96%で症状が軽減するという調査結果を山王病院(東京都)の高橋浩一神経外科副部長などが発表した。
保険病名ですらないあいまいな病気
「脳脊髄液減少症」という病名は、実は保険病名ではない。国際医療福祉大学所属の脳神経外科医、篠永正道医師らによって提唱された新たな疾患概念であり、国際疾病分類にも記載されていない。
そのため、患者数の実態も不明で、脳脊髄液が漏れる穴をふさぐブラッドパッチと呼ばれる治療も、保険適用外だ。
診断法も確定されていない中、あいまいな診断のもとブラッドパッチを行う危険性も指摘されており、厚生労働省では現在、統一的な診断、治療のガイドラインの策定作業を行っている。
◆yomi.Dr
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