広さは東京ドーム以上
中国が新潟市で1,5000平方メートルもの用地を買収した。総領事館建設用地との名目だが、東京ドーム(1,3000平方メートル)以上もの土地をどう利用するつもりなのか。植民地的な中華街や軍事要塞を建設するのでは、との疑念がささやかれている。
奇怪なバーター取引
同用地取得にあたっては、ある種のバーター取引がなされたといわれる。昨年7月、北京の日本大使館を増築。8月に建築確認申請を行ったところ、「申請にない増築があった」として中国政府から使用の許可が下りなかった。
この「違法建築」を認める見返りとして、新潟および名古屋の総領事館用地買収にあたって便宜を図るよう中国側から要請があり、日本の外務省が公式の文書である「口上書」でこれを認めたのだ。
今年2月に開かれた衆議院予算委員会で自由民主党の小野寺五典衆院議員がこの疑惑のバーターについて追求したところ、玄葉外相は事実上のバーター取引があったことを認めた。
1,5000平方メートルの利用法
尖閣諸島問題など、日中間には様々な問題が存在し、広大な敷地を中国がどう利用するのか心配される。
同用地は信濃川に面しており、また日本海をはさんだ大陸側には、中国が北朝鮮から租借する羅津港がある。設備を整えれば、日本に対する理想的な上陸地点として機能させることも可能だ。
また「植民地化」を懸念する声もある。中国政府はラオスで大規模な土地購入をきっかけに5万人の中国人が暮らす中華街を建設。スーダンでも20万人規模の中華街を作るなど、積極的に中華民族の居住地を海外に展開している。
弱腰外交を象徴する丹羽大使
外交の基本は相互主義にある。相手と同様のメリットを提供し、デメリットも同じく平等に提供し合うのが外交のイロハといえる。
中国は日本国内に7カ所の公館を保有し、うち4カ所の土地を所有する。一方、中国の土地は売却を認めず、日本政府は賃料を支払って貸借する形となっている。北京の日本大使館は月額2,000万円の賃料を支払っており、これからも支払い続ける予定だ。
こういった日本外交の弱腰を象徴するのが、現在中国に駐留する丹羽大使である。2010年に発生した尖閣諸島沖事件の際には、深夜中国政府に呼びつけられ、唯々諾々と出頭したことで知られる。
尖閣諸島は日本の領土であり、両国間に領土問題は存在しない。したがって、領海侵犯に対し、日本側から抗議することはあっても、中国側から詰問されるいわれはない、との姿勢を断固貫くのが外交の常識だ。
こういった常識を堅持して国益を守れない人物が日本の代表として駐留していることが、新潟の用地買収につながっている。
なお、丹羽外交官は自らの著書「新・日本開国論」(日経BP)で「70歳を過ぎた老人は全員一線を退くべし」との持論を述べながら、71歳にして大使に就任した人物としても知られる。
◆新潟市
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