米国人が頭でっかちに
米国に住む白人の身長増はほぼ止まっているが、頭部は大きくなり続けている。こんな研究結果を米テネシー大学の研究者が発表した。
頭脳はテニスボール1個分大きく
研究では、1980年代半ばから、1800年代中頃までに死亡した1,500人分の遺骨について調査を行った。
その結果、頭蓋骨の高さは8ミリメートル伸びており、容積は約200立方センチメートル増加していることがわかったという。
大腿骨の伸長が約2%にとどまったのに対し、頭蓋骨の高さは約6.8%も伸長していた。女性の頭蓋骨では伸長は7ミリメートル、容積増は180立方センチメートルだった。
原因はライフスタイルの変化?
研究を行った米テネシー大学のリー・ジャンツ氏は「頭でっかち化」している原因について、特定できないとしながらも様々な可能性を示した。
栄養状態の改善、乳幼児や妊婦の死亡率低下、肉体労働の減少、人種間結婚への障害が低下したことなどである。
研究者はさらに、米国人の頭蓋骨が以前に比べ早熟であることを発表した。かつて20歳でみられた頭蓋骨の成熟が、現在は女性なら14歳、男性でも16歳でみられるようになったという。
小児肥満によるホルモン分泌の変化によるものと考えられており、欧州では同様の変化は観察されていない。研究は、米国自然人類学者協会の年次会議で発表された。
◆healthday
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=665284