群れの中でランクの高いオスザルは病気やケガからの回復が速い
米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America、略称:PNAS)に、サルの生態に関する2つの生態研究の成果が発表された。
(画像はイメージ)
ノートル・ダム大学の研究チームは、ケニヤで野生のヒヒの生態調査から得た27年間のデータを元に、「サルの場合では、社会的なステータスと健康状態が相互関係にある。群れの中でランキング上位に位置するオスは、病気やケガの回復が特に速い」と発表した。
早くに母親から引き離されたメスは、ケガや抜け毛などの健康上の問題が
シカゴ大学の研究チームは、アカゲザルを使って、生まれた後、母親とのコンタクトの有無がその後の健康状態に与える影響を研究した。
実験ではまず、生後すぐの赤ちゃんサル230頭が、母親のもとで育てられるグループ、母親から引き離し、生後5週間後から同じ種類の大人の個体と一緒のケージに入れるグループ、そして、ほとんどの時間を、布をかぶせた湯たんぽが入れられたケージで、ほとんどの時間をたったひとりで過ごすグループに分けられた。
この状態で生後半年たった後、すべてのサルを同じグループに集め、行動や健康状態を観察した。
実験の結果、母親とのコンタクトがなかったサルは、後になって問題行動を起こす頻度が高かった。さらに、5週間後から同じ種類だが母親以外の個体によって育てられたメスは、ケガをしたり抜け毛を起こす頻度が高かったと発表した。
Welt.de
http://www.welt.de/wissenschaft/article106359275