低血糖だとけんか腰に
落ち込んだときや悲しいときに甘いものを食べると癒される、とする人は多い。これは血糖値が感情に大きな影響を与えるためだ。低血糖時には好戦的で短気になり、高血糖時には集中力が低下する。こんな研究結果がこのほど米国で発表された。
糖尿病患者はうつ病になりにくい?
研究をおこなったのは、米ジョンソン・アンド・ジョンソン糖尿病研究所でカウンセリングなどをおこなうJoe Solowiejczyk氏。
2型の糖尿病患者は病状を悪化させないために、食事制限などの生活コントロールが大切だが、感情的な動揺により、コントロールを続けられないことが多い。血糖値の激しい上下動に、感情が影響されるためだ。
血糖値はココロの働きに強く関係している。高血糖状態が長く続く糖尿病患者では、うつ病治療に用いられるのと同じホルモンが、多く分泌されることが今回の研究で判明した。
ココロが血糖値に影響する
それとは逆に、ココロの状態が血糖値に影響することもわかった。健康な人にバンジージャンプをおこなわせて、血糖値を測定したところ、ジャンプのストレスにより、血糖値は大幅に上昇していたという。
猛獣に追われるなどストレスがかかる状況下では、エネルギーが必要とされることが多いため、増加した血液中の糖分を肝臓がエネルギーに変換していたものと考えられる。
糖尿病患者を責めない
糖尿病には2つのタイプがある。自己免疫機能の不全により発症する1型と、肥満などの生活習慣病が引き金となる2型だ。
このうち2型は「不摂生」が原因と思われているため、しばしばまわりの人から非難を受ける。
今回の研究では、糖尿病患者は血糖値の上下動により自己コントロールが難しいことを指摘。感情的になりやすいために、コントロールできないことを理解するよう求めている。
◆healthday
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=664847